History〜小水力発電と中島大の物語

事業化までの流れ

メッセージ

地域での小水力開発は、地図で候補地点を拾い出すことから始めます。その後現地調査をして有望地点を選び、概略計画を立案し、その計画にもとづいて関係者と協議して事業主体を形成します。
それと並行して、流量観測と測量を行って発電所の基本設計を行い、事業費を概算して、事業計画・資金計画を立案します。
事業性があると判断し、事業主体が固まれば、発注先(建設会社・メーカー)を決め、設計の細部を固めて着工します。そして無事完成すれば、発電所の運用が始まります。

Step1 候補地点の洗い出し

地域にある河川・渓流で、有望な地点を探しましょう。ポイントは、勾配が大きい(できれば1/10程度、少なくとも1/30以下が目安です)こと、渇水期でもある程度水が流れていること、土砂災害が起きにくいことです。砂防ダム(治山ダム)が連続して入っている区間は有望なことが多いです。
農業用水路の場合、水路勾配が1/30以下が目安となります。また、水路から河川まで30m程度以上の落差があれば、田んぼで使わない水を使った発電の可能性があります。

支援協会にできること

この段階では、電話やメールでのご相談で、開発可能性についてある程度の助言ができます。お問い合わせの際には、地図(2万5千分の1地形図など)上でどこに位置するかをお伝え下さい。
電子国土.web の地図を利用して、緯度経度を調べたり、正確な地名・河川名を調べていただければ結構です。
また、講演会をセットしていただければ、小水力開発の方法についてお話しをするとともに、いっしょに現場を見て助言することも可能です。

Step2 概略計画

有望地点について、図上調査と現地調査により、取水位置、水路ルート、発電所位置を計画します。また、流域面積と各種データから、発電用取水量を想定します。
そして、年間発電量その他の諸元を算出し、事業性を検討します。

支援協会にできること

計画立案調査(地点発掘調査、地点想定立案調査)を有償で受託しています。
初期段階の調査でも、取水位置・放水位置と大まかな水路ルートを想定します。その上で、周辺の流況データと流域面積から当該地点の流況を推定し、最大出力と年間発電量を概算したり、その数値をもとに取水位置・放水位置を見直すといった調査を繰り返して、計画の精度と実現可能性を高めていきます。調査費用については段階、精度、範囲等によって変わってきますので、ご相談ください。

Step3 関係者との協議

概略計画をもとに、早い段階で関係者と協議を進めることが望ましい。すでに水や川を利用していて直接影響を受ける方だけでなく、周辺に住んでいたり通っているような方々についても広く賛同、あるいは是認していただくことが、円滑に開発を進めるために重要です。
地域振興を目的に開発するわけですから、できれば仲間に入っていただくことが望ましいといえます。

支援協会にできること

概略計画についての説明や、小水力発電に関する講演など、地域で理解を深めることのサポートを行っています。関係者の多くは水力発電に関わるのが初めてでしょうから、丁寧な説明を心がけます。また、この段階で積極的に動いてくれそうな個人や組織を見いだすことが、事業化に向けた推進力として後々重要になってきます。

Step4 事業主体の形成

発電事業を遂行する主体を形成する必要があります。事業法人設立は事業化についての最終判断の後でもかまいませんが、事業化可能性調査や設計等の業務を発注する必要があるため、発注(契約)主体が必要です。

支援協会にできること

初めての水力開発、怖さや抵抗感を感じるのが当たり前です。リスクをはっきりさせ対策を講じることはもちろん、関係者全員が事業について正しいイメージを持てるよう注意を払います。
とはいえ、否定的な面を気にしすぎるよりも、まずは何のための事業であり、それによって地域にどのような効果が生まれるのか、といった点を最初の段階ではっきりさせることが重要です。

Step5 設計・事業化可能性調査

建設費をある程度正確に算出しようとすると基本設計を行う必要があり、事業性評価も含めて1千万円程度以上の費用(規模や立地条件等で大きく変わります)が必要になります。ただし、調査の結果「事業性がない」という結論が出た場合、調査費用が無駄だったということになります(計画変更して事業化できる場合もあります)。
事業性評価の精度を犠牲にして(ある程度のリスクを覚悟して)費用を抑え、概略設計レベル(200から数百万円程度の費用)で事業化可能性を評価して、可能性が高いと判断してから基本設計を行う場合もあります。

支援協会にできること

必要な調査、設計を一括して受託することも可能です。ただし当協会は土木コンサルタントではなく、測量・設計業務は土木コンサルタントに外注することになります。
大きな費用が発生することでもあるので、調査設計の進め方については個別にご相談し、現地の状況や発注者のご都合をよく検討して最適な方法で進めるようにしております。

Step6 事業計画・資金調達

長期のキャッシュフロー表を作成し、リスク分析を行って、事業計画書を作成します。
そして事業計画にもとづき出資者の募集や金融機関との交渉を行います。

支援協会にできること

事業計画書の作成業務を行っています。また、事業計画に基づいて適切な資金造成方法を提案したり、金融機関との交渉資料を作成したり同席することも行っています。
事業主体の形態・関係者間の契約内容・資金造成の方法などをまとめて「事業スキーム」と呼びますが、小水力開発の事業スキームについて検討し、あるいは関係方面と協議を重ねた経験があり、それをふまえた提案をするとともに、計画が実現するまでの支援を行います。

Step7諸手続き

電気事業法と河川法に関連する手続きがほぼ必須です。系統連系・売電する場合には電力会社や売電先との契約があり、FIT法を利用する場合にはその認定も必要です。また、条件によって砂防、保安林、農地、公園等に関する手続きが必要になります。関係する地権者があれば土地の売買・貸借・地権設定といった交渉が必要になります。

支援協会にできること

まず、地点に応じてどういう法令の規制を受けるか、どのような手続きが必要になるか、をはっきりさせます。政府として再生可能エネルギーを推進しているので、以前より格段に進めやすくなっていますし、当協会は関係省庁との情報交換を適宜行っており、計画実現に必要な道筋をつかむことができます。
その上で、手続きに必要な資料を作成したり、手続きの方法について助言いたします。

Step8 工事発注・施工管理・竣工調査

公共工事の入札方式だと実施設計・機種選定が柔軟にできない場合がありますが、補助金を使わない民間団体発注であれば発注形態に拘束がありません。小水力開発の場合メーカーを決めた後でメーカー・建設会社と再検討を行い設計を見直すことで、設備の合理化や経費削減ができることがしばしばあります。
着工後の施工管理や竣工検査の体制を構築することも必要です。

支援協会にできること

発注段階で、仕様書を作成して業者を募集、選定し、決定した業者と協議して設計を見直し、正式発注する、といった段取りを適切に行うことが必要で、当協議会ではこれを「発注能力」とよんでいます。初めての、あるいは経験の浅い方々にとっては難しい面もあるので、当協議会が支援いたします。また施工管理、竣工検査についてもお手伝いします。

Step9 運用体制の構築と運用

発電所の運用では、通常運転、事故対応、災害対策、保守修繕などを計画的に行う必要があります。ま水力発電所の運用にあたっては、主任技術者や管理担当者、外注先等を適切に配置し、増水・災害対応マニュアルを整備し、連絡体制を整えた上で、日常の運転管理、定期点検、大規模修繕等を計画的に実施する必要があります。また、運用状況を見ながら計画やマニュアルを見直すことも必要です。

支援協会にできること

運用体制の構築や運転・修繕計画、マニュアル類の整備を支援します。また、職員の教育訓練プログラムの立案や実施も行います。想定外の事態が生じた時には、状況の分析、対策立案のご相談にも応じます。

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